インタビュー

授業モデルを作成した先生たちに聞く RESASの魅力とは?

本サイトの開設に合わせ、RESASを活用した授業モデルの副教材を作成した8人の先生たち。
各人が現場で蓄えたノウハウを携えて全国から定期的に集まり、約8カ月に渡って検討を重ねてきました。
そんな皆さんに、RESASとの出会いからその利用のコツ、さらに今後に期待することまでお尋ねしました。

Q1RESASに出会ったきっかけは何ですか? なぜ使おうと思ったのですか?

川崎  今までなんとなく感じていた地場産業(繊維産業)をRESASの産業構造マップなどで見せられたのがきっかけです。色画用紙のようなわかりやすいビジュアルなど、教育でも使えると思いました。

大久保  2015年に本校が2期目のSSHの指定を受けた際に、文系も含めた科学的思考力の育成を目標としました。前年までも、総合的な学習の時間で地域の活性化をテーマにしたことはありましたが、どちらかというと調べ学習に終わっていたのです。そんな時、地元美馬市の職員からRESASの紹介を受け、データの有用性やビジュアルのわかりやすさに魅力を感じ取り入れました。

上門  2016年の鹿児島県でのRESASの普及活動について、本校OBから紹介を受けてRESAS利活用ワークショップを本校で開催しました。その後、地方創生☆政策アイデアコンテストへ中学3年生が応募したことをきっかけにRESASを活用して地方創生について考える授業を始めました。翌年度からは中学3年生の総合的学習の時間の年間授業計画として実施しています。

吉澤  中学生が学校のある地域の魅力を発掘し、課題について考える探究学習をスタートさせていました。ただ、始めてはみたものの、思い込みや勘ではなく、確かな根拠に基づく論理的な探究にするためにはどうしたらいいのか悩んでいたのです。ビッグデータがわかりやすくマップやグラフで表現されているRESASを開いた瞬間、これなら中学生でも活用できるはずと確信して導入を決めました。

Q2RESASを授業で使ってみてどうでしたか?

高石  「ビックデータの活用能力の向上」の目標に対し、さまざまな情報をグラフや表で見られるので、用途や学習範囲、生徒の関心に応じて効果的にアプローチでき、とても使いやすいと感じました。あらゆる教科の学習手段として有効だなと思い、すぐに全教科の先生にシェアしました。

大久保邦博先生の写真

大久保邦博 (徳島県立脇町高等学校教諭)

大久保  自分自身がすべてのデータの内容について理解する前に生徒と取り組みはじめましたが、むしろ生徒の方がいろいろと見つけてきて、私が教わるといった感じで進みました。地域について自分たちで調べ、課題を発見し、解決策を考える、これこそアクティブラーニングだと思いました。

吉澤  RESASのデータは、中学生でも一目で直感的に把握することができるため、生徒は抵抗なく自らRESASを開いてデータにあたっていました。これからの社会では、確かなデータに基づいた分析が絶対に必要になると思います。その意味で、RESASは、ビジュアルも、パッケージ性もよいので、データ分析の入り口としても適していると思います。

 生徒は膨大なデータの中からどれを使えば自分たちの考えの根拠になるかを考えて選んでいました。生徒たちは、たくさんあるデータを目的に応じて選択する力が身に付いたように思います。

中谷  地域の問題解決のために、RESASのデータを分析することで地域の傾向や課題がはっきりする点でとても効果的でした。

上門  生徒たちが持つ課題や問題点、または効果を、感覚ではなく実際のデータとして根拠を持って説明する様子を見て、論理的思考が求められる今に活用できると感じました。また、生徒がRESASのさまざまなデータから大人では気づかない常識を超えた発見を見出す様子を見て、新たな発想を見出すアイテムになると実感しました。