インタビュー

Q3RESASを使うことは負担だと思う先生に向けて

 RESASだからではなく、データを読むということに普段からあまり慣れていなかったので、私もはじめは負担を感じていました。しかし、生徒または教員と共に探し、考える活動を繰り返す中で、徐々に負担ではなくなりました。

中谷  マップの中には高校生には難しいものもあり、質問される場面もありましたが、生徒と一緒にマップの内容を理解し学習していきました。

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吉澤陽 (学校法人聖心学園聖心学園中等教育学校教諭)

高石  あらゆる情報を使いこなそうとするのは、項目が多いので、難しいかもしれませんね。私自身も一部しかまだ理解できていません。教員生徒皆で最新学習歴の更新者という意識、ともに学んでいこうという気持ちになることで負担感は減ると思います。

吉澤  負担に感じたことは一度もありません。自分で使っている時も、どんどん興味がわいてきて時間を忘れてしまうくらいです。ネット環境があるだけで、いつでもわかりやすいデータを示すことができるので便利です。生徒にとっても簡単に操作できるし、何よりもデータが読み取りやすい。こちらが指示しなくても、次から次へといろいろなマップを見て、データから地域のリアルな現状をとらえていくことができます。

上門  生徒たちが使い方に迷うのでは、という心配は要りません。「このRESASの中から適切なデータを見つけることができるよ」と案内するだけで、RESASをツールとして活用していくようになりました。教師が教えなくても見守るだけでよく、生徒の主体性によって使えるものなので、負担とは感じませんでした。

川崎  ツールとして考えれば、使わない方に負担感を感じますね。

河合  ただ、年度当初にRESASを活用する授業をどのタイミングに、いつ入れるかを考えておく必要はあるかと思います。そうでなければ、使用目的がはっきりしない「とりあえず使ってみよう」というだけで終わってしまいます。

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岡かなえ (金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校教諭)

Q4どのような場面で使うのが効果的だと考えますか?

高石  あらゆる授業で、プレゼン発表資料を作成をする際の参考データとして、数値や画像を活用できます。また、地域のボランティア活動のリフレクション時に、訪問した地域を俯瞰的に学ぶための手段としてもよいと思います。

 地域の課題や地域創生などについて考えさせる際の、自分の暮らす地域の現状を捉えさせるために使うのがよいのではないでしょうか。私たちはデータで地域を捉えるということはあまりしていません。改めて客観的な数値で地域を捉えることで、“自分の住んでいる地域のことを意外と知らない”ということを知ることができて、生徒たちは面白いと感じると思います。

吉澤  教科学習においては、自分の担当教科である、中学社会、高校の地歴・公民での主題学習やアクティブラーニングの場面で積極的に活用することが効果的だと考えます。どんな教科でも、主観ではなく、確かな根拠に基づいた客観的な思考・判断・表現といった力の育成を目指す場面で使うのが効果的だと思います。

川崎  どんな使い方が効果的かは、授業設計において異なっていくと思います。興味関心を持たせる導入の場合が多いかもしれませんが、データのドリルダウンは、深い学びになっていくと感じました。何がしたいか、何を理解させたいかによって、使い方は異なるはずです。

河合  高校地理の授業の導入として利用しました。特に、地域学習の一環で、身近な地域と見知らぬ地域との比較においては、それぞれの地域についての概観を把握してもらうことが必要となります。その際、データを通して地域の特徴や傾向を見つめさせるのに最適でした。

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河合豊明 (学校法人品川女子学院教諭)

Q5地理の中でRESASはどのような役割を果たすことができますか?

河合  RESASは既に多岐に渡る種類のデータが掲載されているため操作が非常に簡単であるため、全く使えないという現場は非常に限られるはずです。高等学校で、地理は長い間選択科目という位置付けでしたが、2022年度からは「地理総合」が必修化されます。「地理総合」ではGIS(地理情報システム)の活用が求められており、経験知だけではなく、統計データを通して地域の特徴を概観し、比較することが必要となります。
 RESASは、複数のデータを重ね合わせたり、町丁字別での分析はできないなど、地域を分析するツールとして完璧なものとは言えません。しかし、地域のことを系統地理、地誌という2つの側面から見つめるだけではなく、それらの側面から見つめることを通して、その地域が持つ強みや課題を追求し、主体的に課題を発見し、解決に繋げるための1つのツールとして、重要な役割を果たせると実感しています。