インタビュー

Q6RESASを活用した授業での生徒の反応はどうでしたか?

大久保  生徒はまずビジュアルに驚いていました。そして、データを調べていく中でいろいろ発見がありました。地元のことは知っているようで知らないことがたくさんあり、最初は人口減の現状にショックを受けていましたが、掘り下げていくにつれ、思ったより自分たちの地域のいいところが知れて喜んでいました。

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高石大道 (学校法人札幌慈恵学園札幌新陽高等学校教諭)

高石  2040年の人口推計など、ひとめででリアルに現状と予測を捉えられるので、わかりやすいと声が上がりました。また地域経済循環率など、概念としてわからないマップもあるので、RESASから新しい知識や考え方を学ぶことができるのがいいという様子でした。

中谷  積極的に地域課題を考える生徒が増えましたね。RESASを1つのきっかけとして、複数のデータに当たることを指導しているので、実際に自治体に出向いたり、観光客にアンケートを取ったりする生徒も多くいます。

河合  見知らぬ地域をいきなり調べても、データを見つめるだけでは実感は湧かないようでしたが、自身が暮らしている自治体、よく知っている自治体については、思いもよらなかった特徴や渓谷が数値上で示されるので、非常に興味を持っていました。その上で、見知らぬ地域をも調べることで、自身が暮らしている自治体と地域間での比較ができ、見知らぬ地域についても興味を持ち、自発的に自治体のWebサイトを開くなどして調べていました。

 データを根拠に説明することの大切さを感じていました。データを示すことで説得力が増すということを実感したと思います。

上門  データを眺める中で問題点や効果などを発見する生徒の様子には、受け身ではなく主体的な活動を通じて能動的に学ぶ姿があり、正しくアクティブラーニングと言える状態になっています。生徒にとって素晴らしい機会となると思います。

Q7RESASを使った授業の頻度を教えてください。

 総合的な学習の時間では年間で2回程度です。具体的には、最初の段階で大まかに地域の現状を調査する際と、最後の地域活性化のために自分たちが考えた提案を提示する際の根拠となるデータを提示する際です。国語の授業では年間で2回程度です。現代文の授業で作文を書く内容を行った時に資料として提示しました。

河合  高校地理Bの授業において、GISに関する分野では1回の授業で利用し、地域分析に関する分野では3回の授業で利用、都市問題に関する分野では2回の授業で利用しました。1年間で合計6回になります。

大久保  現在は週1回の情報の授業で使っています。

上門  中学2・3年生での総合的学習の時間で週1時間、高校普通科キャリアアップコース公務員専攻の総合的探究の時間で週1時間です。

高石  地方創生☆政策アイデアコンテストの応募期間に併せて展開した授業では、授業ごとに毎回生徒が必要に応じて使用していました。その他のPBL(問題解決型学習)においても参考文献の活用候補として常に生徒の近い存在においているため、年間を通じて活用している構図になります。

Q8RESASを活用したことでどのような効果がありましたか?

川崎  自分の知りたいこと、気になっていることをRESASなり、他のビッグデータなりで根拠を持って調べてみようとすること。その態度や考え方を持てるようになったことが効果だと思います。

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上門大介 (学校法人川島学園れいめい中学校・高等学校教諭)

 データを読み取る力、データを目的に応じて使用する力が伸びたと思います。また、地域のことを考えるきっかけにもなったと感じます。

高石  地域ボランティアや海外留学など、さまざまな出会いと原体験を終えた早いタイミングで外国人訪問分析や経済循環マップを活用した振り返り学習をすることで、知的好奇心の向上が高まる効果があったと思います。また探究学習における問いを立てる力、また情報分析能力を向上させるための手段としても効果があったように思います。

中谷  2016年から毎年高校1年生に「信州学」を行いはじめましたが、RESASを1つのきっかけとして、自らの地域課題を自分のこととして考えられる生徒が確実に増えたと思います。中には2年、3年と高校生活をかけて探究学習を行う生徒もいます。AO入試での活用も見られます。

大久保  進路についても、地域を支える人材になるために経済や地域協働などの学部への進学を選択する生徒も増えましたね。

上門  RESASを活用して、データ分析から地方創生アイデアを考えてプレゼンテーションを行うという一連の流れが、思考力や判断力、表現力といった日頃の学習では身に着けることが難しい生徒たちの力を伸ばしてくれていると考えます。また、こうした取り組みが普及することで、若い世代が地方創生に向き合う機会が増え、結果として将来、地方を支える人材が育つことにつながるのではないかと思います。

吉澤  何よりも、生徒がデータにあたることに何の抵抗も感じなくなったことが一番大きいです。RESASだけでなく、自らインターネットでほかのデータも探すようになり、データを見ながらグループで積極的に分析している様子がみられます。その意味では、データを分析し、それを言語化して他者に伝える、そして、議論を通じて結論を出していく、こういった過程を繰りかえすことで、思考力・判断力・表現力、情報収集力・分析力、言語力、協働力などの、これからの社会で求められる力の育成にもつながっていると思います。